娼婦の子どもたちを養護しながら生計を立てている
ひとりの年老いたユダヤ人女性と
アラブ人の少年との愛と絆を描く

『これからの人生 La vie devant soi』はフランスの作家ロマン・ギャリーが2度目のゴンクール賞を受賞し話題となった作品です。1977年に映画化され(アカデミー賞受賞)、2007年に初舞台化(モリエール賞受賞)されました。この作品は、風の代表的なレパートリーとして長年の公演を続けている『星の王子さま』を通して親交を深めたフランス・ガリマール出版社のフレデリック・マサール女史から毛是での上演の提案を受け、2011年、南雲史成の演出により日本初演となりました。

舞台はパリの下町。第二次大戦中に強制収容所に送られた過去を持つポーランド出身のユダヤ人の元娼婦ロザは、人種の区別なく、娼婦の子どもたちを預かってきた。現在はイスラム教徒の少年モモを育てている。傷ついた2つの魂が寄り添って暮らす日常……。
ある日、モモの父親カディールが現れる。ロザはモモを父親に渡したくない一心で、イスラム教徒でなく、ユダヤ人として育てたと嘘をつく。
しかし急激にロザに忍び寄る老いと病……。
政治やイデオロギー、人種、宗教によって隅に追いやられた人間の“絆”を描く物語。

作:ロマン・ギャリー
脚本:グザヴィエ・ジャイアール
 
訳:川口覚子
演出:南雲史成
 
音楽:八幡茂
舞台美術:高田一郎
 
照明:塚本悟
音響:実吉英一

仲介:㈱フランス著作権事務所 cEditions Gallimard