REPERTORY 肝っ玉おっ母とその子供たち ~あとから生まれてくる人たちに
1999年 初演 ■受賞暦■
2004年 |
■レパートリー■
舞台は17世紀ヨーロッパ、中央ヨーロッパ全土を巻き込んだ宗教戦争(三十年戦争)。通称を「肝っ玉おっ母」というアンナ・フィアリングは3人の子どもたちを抱えながら、幌車に商品を詰め込んで軍隊を相手に商売をして生活している。戦争を追いかけて商売を続ける道すがら、出会い別れていく人々-娼婦のイヴェット、従軍牧師、料理人、兵隊たち。彼らもまた、戦争のなかで生きるための闘いを続けている。
おっ母は子どもたちを戦争に行かせたくない一心で必死に商売を続けるが、長引く戦争は彼女の大切な子どもたちを一人また一人と奪っていく……。
ブレヒトはこの作品を第2次世界大戦中に描きました。スイスのチューリッヒで初演されて以来、ヨーロッパで大評判となり、戦場に生きる民衆の姿を描いた20世紀の名作として、世界各地で上演され続けています。
東京演劇集団風は1999年、拠点劇場レパートリーシアターKAZEのオープニング企画として、この作品を初演しました。以後レパートリーシアターでの繰り返しの上演を重ね、初演から6年後となる2006年から、“あとから生まれてくる人たちに”という詩の朗読を加えて、全国公演をスタートさせました。
演出の浅野は、「戦争反対にとどまらず、“生きる”“生きがい”という多様な受け止め方、戦争という限りない悲惨さの発見と同時に、このような苦境にあってなお生き続け、笑い、泣く、人間の原初的な力強さを発見してほしい」と語ります。
「肝っ玉おっ母とその子どもたち」は、いまなお若い観客たちとの対話のなかで、育てられ続けている、風の代表作です。
作:ベルトルト・ブレヒト
訳:岩淵達治
演出:浅野佳成
音楽:八幡茂
舞台美術:
アンジェイ・ピョントコフスキ