旅公演日記
旅公演日記2005秋
Touch~孤独から愛へ~
作:ライル・ケスラー●演出:浅野佳成/九州地方
<キャスト> | |
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ハロルド: | 酒井宗親 |
トリート: | 緒方一則 |
フィリップ: | 柳瀬太一 |
星の王子さま Le Petit Prince
作:サン=テグジュペリ●演出:浅野佳成/東北、関東、信越、関西地方
<キャスト> | |
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王子: | 白根有子 |
飛行士: | 久保雅信 |
ヘビ: | 栗山友彦 |
キツネ: | 工藤順子 |
花: | 仲村三千代/柴崎美納 |
星の住人たち: | 田中賢一/田中悟/栗山友彦 |
文化庁「本物の芸術体験事業」参加型公演は2週目に入りました。
小学校での公演が多い16年度ですが、この週は小学校から、中学校(今旅唯一のブラスバンドの参加あり)、そして高校と3つの違った世代の観客の前での公演となりました。
文化庁公演では通常半年程前に、劇団が学校を訪れワークショップを行ないます。
学校に“参加”として提案されるのは、
①王子がクライマックス自分の星に帰るときに歌う「僕は行く」を一緒に歌う。
②王子が地球から姿を消した時の飛行士の台詞「おーい、おーい、どこへ行ってしまったんだよ」という台詞を皆で叫ぶ。
③劇中、王子と飛行士が歌う歌「僕の旅は続く」の歌を、卒業を控えた最上級生と舞台で一緒に歌う。
④星めぐりの場面の“呑み助”“地理学者”という2つの特色ある役を先生に演じてもらう。
⑤ブラスバンドがある学校では「僕は行く」「光と影」の2つの歌を演奏してもらう。というのが主な参加の形態です。
ワークショップから約半年。学校では様々な形で、練習が繰り返され、先生と学校が協力し合い本番に向かいます。時には美術の時間に児童・生徒たちに「星の王子さま」の絵を書いてもらったり、ポスターをつくったりして、その学校ならではの取り組みも生まれます。
そして本番。
11月10日千葉の秋津小学校には、この公演を主催し、指導してきた文化庁の方々が、忙しい中見に来てくださいました。「いま、何に、どんな価値に小学生から高校生含めた若い世代の人達に触れて貰いたいのか。」模索を続ける文化庁の方々の姿がありました。
児童、生徒、学校、劇団、そして文化庁。一体となってつくる公演のおもしろさが、この公演の特色。
きっと世界中で大ベストセラーとなっている「星の王子さま」という作品が、支えてくれた人たちの姿とともに、児童・生徒さんたちに思いおこされる日がくるという期待を胸に、旅はいよいよ終盤を迎えます。
★写真:「僕の旅は続く」の参加。
20年ぶりの寒波が襲ってきた中、今週の公演はスタートしました。
月曜日は福岡県の田川文化センターにて福智高校の公演です。
吹雪の中、学校から移動で生徒さんたちはとても寒そうでしたが、芝居が始まると視線は舞台に真直ぐ向けられ、生徒さん一人一人がそれぞれ何かを感じ取ってくれているようでした。
その日はそのまま、雪が降りしきる中、峠を越えて、同じ県内の浮羽工業高校へ移動、二階体育館へ搬入です。
そこで待ち構えてくれていたのが剣道部。絶大なる力を発揮し、瞬く間に搬入は終了。仲間同士、気遣いながら、寒い中、夜遅くまで頑張ってくれた姿に、感謝と感動を覚えました。
そして、翌日の本番。『「TOUCH」上演史上三本の指に入る寒さだった』(柳瀬談)が、そんなことはものともせず、最後まで、舞台と向き合っていた生徒さんは印象的でした。
芝居が終わると、環境デザイン科の生徒さんと、部長呼びかけのもと有志で集まってくれた演劇部の皆さんが手伝ってくれました。
しばらくして、環境デザイン科の生徒さんたちが下校の時間となり、ガクッと人数が減ったところに再び登場したのが剣道部。それに加え、バスケ部の皆さんも。大変心強かったです。
水曜日は、熊本県は、天草工業高校の公演で、本渡市民センターで行なわれました。集中している中にもノリの在る客席で、カーテンコールでは生徒会長さんからとても丁寧な謝辞を戴きました。
木曜日は、鹿児島市に移動し、鹿児島女子高校の公演。
朝から、演劇部の皆さんが搬入を手伝ってくれました。凍えるような寒さの中、正座をしての鑑賞は大変だったと思いますが、本当に細かい部分まで受け取っての反応には驚きと新鮮さを感じました。
さて、後片付けではバスケ部をはじめとする体育館を使う生徒さんたちが手伝ってくれました。とても礼儀正しく爽やかな生徒さんたちでした。
「二年後にもまた来て下さいね。」と言われたのは、とても嬉しかったです。
金曜日。鹿児島県文化センターにて、鹿児島工業高校です。客席の明かりが暗くなり、いよいよ開演が迫ると待ちわびていた生徒さんたちの歓声がわき起こり、芝居が始まりました。その歓声は開演と同時に集中力と変わり、うねりの在る空間を作り上げました。
そして、カーテンコールではその盛り上がりが爆発し、出演者3人に大歓声が送られました。
今週は、
本物に触れたい、知りたいという生徒さんたちの欲求と、
本物に触れ、本物を見て欲しいという先生方の想いを
改めて感じる1週間でした。
残すところ2ステージ。最後まで本物にこだわり通して行きます。
12 月6日は福岡県の柳川市民会館にて、柳川高校の皆さんが観劇。この学校での「Touch」の上演は今回が3度目となります。他に「ヘレン・ケラーひびき合うものたち」そして「星の王子さま」の上演もあり、5回目の風の上演となりました。食い入るような眼差しで、舞台を見つめる客席が印象的でした。公演を成立させるために何かとご尽力下さった先生のご苦労に感謝!
翌7日は、大分県の佐伯豊南高校の体育館での上演。早朝の搬入にもかかわらず、演劇部と野球部の元気な生徒さんたちが大勢駆けつけてくれました。おかげさまで早い早い!あっという間の出来事でした。ここのところ仕込みの方もチームワーク良く、スピーディーになってきているので、本番までの時間をたっぷり取れるようになっています。本番後の搬出作業にも、演劇部と野球部を中心にたくさんの生徒さんたちがお手伝いに来てくれました。芝居を見た後の興奮からか、朝よりももっと元気一杯で出演者やスタッフを囲んで質問ぜめのシーンが体育館のあちこちで見られました。
一日置いて9日、同じく大分県の津久見高校。こちらも体育館での上演でした。ずいぶん寒くなってきて、本番中の体育館も冷え込んできましたが、生徒さんたちの集中力はとぎれずに、舞台に見入ってくれていることを実感した公演でした。搬出の手伝いに来てくれた機械科の生徒さんたち、ありがとう。たくさん元気をもらいました。
★写真は大分県・佐伯豊南高校の野球部の皆さん。片づけの場でもすばらしいチームワークでした。
11月最後の一週間は、鹿児島県内の中学校の体育館公演が続きました。4回の公演を終えての印象は、まず生徒たちが人に対してとても強い興味を持っていたこと。そして先生方が協力し合って行事のために力を貸して下さったことです。
11月28日、鹿児島市の福平中学校では、坂道の大道具搬入から一日が始まりました。けっこう大変だなあ、と思っていると、「おはようございまーす!」「何をお手伝いしたらいいですかー!?」と元気な生徒さんたちが現れました。担当の先生のクラスの子達が応援に駆けつけてくれたのです。はしゃぎながら荷物を運ぶ生徒たちの列に混じって劇団員もはりきっていました。片づけを手伝ってくれたサッカー部の皆さんもありがとうございました。
29日の姶良町立重富中学校では、公演の準備中から生徒さんたちが休み時間の度に体育館を覗きに来ていました。楽しみにしている生徒たちを見ながら担当の先生と演劇部の先生が「生徒たちに本物を見せてあげたいんです。」と期待の言葉をかけてくれました。この2日間とも入場口のすぐそばに楽屋があったので、終演後は窓の外から生徒たちが出演者に声をかけたり手を振ったり・・・興味津々の眼差しに囲まれ、役者の3人は少し照れながら応えていました。
30日に公演をした鹿児島市立東谷山中学校は、劇団の11tトラックが体育館まで入れないため、前日の夜に大道具を搬入しました。担当の“松ちゃん”先生よりホームページの掲示板に書き込みをいただきましたが、20人ほどの先生方が夜遅くまで荷物運びを手伝ってくれました。翌日の公演は900人の生徒で満席。肩を寄せ合って一生懸命に舞台を見ている生徒たち、思わず大笑いしてしまう生徒たちの様子を見て、劇団員も先生もともに喜びのある公演となりました。
いよいよ12月に入り、2日に漁港と温泉の町・阿久根の阿久根中学校で公演がありました。公演後には自主的に片づけを手伝いたいという生徒さんが集まってくれました。女子生徒さんのグループが最後まで話しをしながら手伝ってくれて、楽しかったですね。ありがとう。
週末は九州でも雪が降り、これからいよいよ寒くなってきます。ますます元気にいきましょう!
★写真は鹿児島県の阿久根中学校の体育館で、出演者の3人と生徒さんたち。
今回の旅公演中、3度目にして最後の“1日2回公演”となった11月21日の宮崎日大中学・高校の公演。年々少子化が進む中、2回公演は少なくなっているが、今回は各回約800人の生徒が観劇した。その800人という人数にもかかわらず、開場時間から10分足らずで着席が完了してしまう。そうなると客席の緊張感、期待感が薄まらないうちにと開演を早める。客席の反応は上々、体育館公演ならではの舞台と客席の一体感を味わってもらった。
終演後、舞台前に来て舞台装置や小道具を興味深く覗き込んでいく生徒は多い。客席でも女子生徒が多かったが、片付けの手伝いも女生徒がリードしていた。その女子たちに男子が「○○さん、がんばって」と声をかけたり、手を貸してあげたり。舞台成功の実感はそんな雰囲気からも得られる。
手伝って下さった先生、生徒の皆さんに見送られて学校を去る時、劇団員たちは次の公演へのエネルギーを持ち帰る。
(清水菜穂子)
22日は福岡県の海沿いにある町、福津市津屋崎にあるカメリアホールでの福岡水産高校の公演でした。
旅公演も終盤に向かい大道具のいたみ具合が目立つようになってきました。朝、カメリアホールで大道具の搬入をしていると、舞台の両脇に立つコンクリートの柱を模したパネル《通称砂パネル》の骨材が折れてしまいました。急遽、ヌキ板(以前舞台の床板として使っていたもの)を利用して応急修理しました。
『Touch』は役者の動きも激しいためか家具なども壊れやすく、修理が欠かせません。ハロルドが誘拐されたときなどに座るイスは、もしもの時のために似たデザインのものを探し、予備としてストックしました。ソファもだいぶがたがきているので気をつけなければ・・・。
そんな心配とは別に公演はテンポが良くなってきているのを感じました。
開演前からとても元気だった水産高校の生徒さんたちですが、しだいに舞台に集中していく様子が感じられました。
公演を楽しみにしている学校の皆さんのためにも、毎回最高の舞台装置を組むようにしたいと思っています。
(佐田剛久)
★写真は宮崎日大中・高校の後片づけで生徒さんたちに説明をする清水(左端)と舞台監督の長谷川(右端)。
『Touch』の旅もいよいよ後半を迎えました。
九州に来た頃(10月)の体育館の公演では、汗びっしょりになるほど暑かったのですが、この頃は朝夕も冷え込んでいます。けれど旅班一同、風邪もひかず元気にがんばっています!
毎日九州各地を公演していますが、今週は一日だけ佐賀県の公演で、あとは熊本県でした。
佐賀県の、葉隠れ発祥の地のすぐそばにある弘学館学園の体育館での公演では、中学一年生から高校2年生まで1000人近くの学生たちが芝居を楽しんでくれました。演劇を見るのは久しぶりとのことで、開演前から体育館をのぞきに来て「がんばってください。楽しみにしてます」と声をかけてくれる生徒さんたちも多く、公演への期待感のなか芝居が始まりました。カーテンコールでの生徒会長さんの言葉では、今日の公演の感動を堂々と私たちに伝えてくれて、一同嬉しかったです。この作品がもつ人と人とのふれあいの大切さや、人間同士が元気づけ合いながら成長していく姿をしっかり受けとってくれました。後片づけに自主的に参加してくれた大勢のみなさん、ありがとうございます。寮のお風呂は間に合いましたか?
熊本県の鹿本高校での公演は吹奏楽部・写真部・演劇部・図書部のみなさん、大変お世話になりました。
みんな元気いっぱいで、公演後のみなさんとの交流も思い出ぶかい時間となりました。体育館の公演は生徒さんたちとの交流や一体感が、いっそう身近に感じられ、私たちにも元気を与えてくれます。
熊本工業高校や小川工業高校では、終演後、熊本市民会館や小川町総合文化センターの楽屋に、たくさんの生徒さんたちが訪ねてくれました。一言、あるいは声をかけられなくても、今日の日の演劇鑑賞会の出会いを喜んでくれたのだと思います。
携帯電話やインターネットが普及し、便利になりました。中学生や高校生たちを取り巻く状況も変化していますが、演劇がもっている人間同士のコミュニケーションのおもしろさや大切さを、客席に伝え、共に考えていける学校公演を創りたいと思っています。
まだまだ公演は続きます。
★ 写真は熊本県・鹿本高校にて、終演後お手伝いしてくれた生徒さん
11月7日、心配された雨も上がり、佐賀清和中学・高校体育館での公演。前日の仕込みから演劇部、放送部の生徒たちが大いに手伝ってくれました。
佐賀清和中学・高校では『Touch』は3回目の公演となります。担当の田川先生は、バラシ(後片付け)を手伝ってくれる生徒たちをながめながら、「この芝居は、私が生徒との向き合い方を考える時に、いつも節目に見ているんです。」と静かに語ってくれました。「4回目もやりますから」と熱っぽく言ってくださったのは、うれしいかぎりです。
11月8日、鹿児島県・武岡台高校では、終演後に100人を超える生徒たちが自主的にバラシを手伝ってくれました。遅くまでかかったバラシに最後までつきあってくれてありがとうございました。
11月9日、宮崎県・西都市民会館で午前/西都商業高校、午後/妻高校の公演です。この『Touch』の長いツアーもいよいよ中日をむかえました。
終演後に舞台に寄ってきて「おととし『ヘレン・ケラー』を見て、今日また風の『Touch』を見て、なんだか元気が出ました。」とだけ言って去っていった生徒になんだかうれしくなってしまいました。
1日おいて11月11日、福岡県・香椎高校は福岡市民会館での公演です。私事ですが、この学校には僕の高校時代の同級生がいました。思わぬ再会でした。
生徒たちの客席からの声に耳をすましながら、自分たちのやってきたことの内容をあらためて考えさせる一週間でした。
さまざまな出会い、さらなる出会いを重ねながら『Touch』の旅は後半へと入ります。
★写真は佐賀清和中・高校の公演で担当の田川先生、演劇部の皆さんと出演者の3人。
今年3月に劇団に入った僕にとって初めての旅公演。不安と緊張と嬉しさが入り混じったなかで始まった旅も1ヶ月が経ち、いよいよ僕たちが「文化庁公演」と呼んでいる「文化庁本物の芸術体験事業」による公演がスタートしました。通常の学校公演と大きく違う点は2つ。小学校での公演が多いということ、そして児童・生徒・先生も僕たちと一緒に舞台に参加するということです。
僕が衝撃と感動を受けたのは「王子さま世代」である小学生との交流。
以下は舞台見学での一コマです。
(照明を吊ってある体育館の天井を指差す小学生)
「どうやってあれつけたのー」
「魚を釣るようにして竿で天井にロープをかけるんだよ」
「なんで?魚は空じゃなくて海にいるんだよ。飛行機釣るの?」
「そうだね。飛行機釣るみたいにやるんだ」
「そしたら飛行機乗ってる人、死んじゃうじゃない。かわいそう」
公演中も客席からはダイレクトに様々な反応が返ってきます。観客との一体感を嬉しいほどに感じる文化庁公演。子供たちのまっすぐな眼差しと感性を受けとめ、自分たちの足元を何度も何度も見つめ直しながら、出会いの旅はまだまだ続きます。
☆写真は、11月8日山梨県・昭和町立常永小学校。午前中行われた舞台見学で、オペレーター坂野貢さんの説明のもと、照明の操作を体験する児童の皆さん。
あっという間に10月が過ぎました。
10月31日は、神奈川県の鎌倉芸術館で富士見が丘高校の公演。富士見が丘高校では、毎年PTAの方々と、学校が協力して生徒さんたちに見せる作品を決めているとのことです。当日の終演後に行なわれたPTAのみなさんと先生方の打ち上げ、兼反省会に私も出席させていただきました。
「日頃ファーストフードでぱぱっと済ませてしまう食事を、ゆっくり、じっくり噛みしめて食事をしたような感じ。子供たちの日常とは違った時間を味わえたような気がします。」と話してくれたのは、高校生の娘さんを持つお母さん。
また、「ぼく達は、どんな作品を選んでいいのかわからないんですよ。」と苦笑する男性の先生方は「いつも子供たちは、こんなにしっかりと“言葉”を聞く機会がないですよね。ひとつひとつの言葉をしっかり聞いていましたね。」と話してくれました。毎日、生徒さんと顔をあわせている、先生、そしてお母さんたち。芝居を通して日常ではなかなか受けとれきれない情報を、生徒さんたちに発見してほしいという、願いに触れたような気がしました。
富士見が丘高校での公演後、旅班は宮城県へ。大崎中央高校、松島高校、常盤木学園と県内3校の公演を続けました。
「星の王子さま」旅班は来週から、いよいよ「文化庁本物の舞台芸術体験事業」生徒さん参加型の公演に入ります。ひとつの公演をつくるために力を尽くしてくれているたくさんの人たちの想いを忘れずに、旅を続けていきたいと思います。
☆11月4日、常盤木学園の公演では終演後バレー部、演劇部、有志のみなさんに撤去作業をお手伝いいただきました!ありがとうございました。
写真は撤去作業終了後、お手伝いしてくれた生徒さんたちと。
『星の王子さま」の旅は中盤を迎え、旅のペースができてきています。
今週は24日の岩手県から始まり、福島、新潟、福島、山形と公演をしてきました。
10月25日の磐城農業高校では生徒会の生徒さん、そして26日新潟清心女子高校では演劇部の生徒さんが舞台を作るところから手伝ってくれる機会が何度かあり、本番だけでなく舞台ができるところから撤収するまでの公演の一日の流れを共有でき、舞台を成功させるためにお互いに協力し合ったいい公演ができました。
手伝ってくれた皆さん、ありがとうございます。
☆写真は、10月24日岩手県・岩泉高校の生徒さんたちと旅のメンバー。
今週の初めは、長崎県口加高校です。
前日に学校に向かう時のことですが、学校の15・6キロメートル手前にて「口加高校」のロゴの入ったジャージを発見!陸上部のトレーニングなのでしょうが、そのハードな練習に脱帽です。
さて、公演当日。熱く盛り上がりました。公演後もバレー部、バスケット部の皆さんが元気が良く、清々しい声で撤去を手伝ってくれました。私たちも楽しい気持ちで、撤去ができました。有難う御座います。
月もかわり、11月に入りました。今日は、大分の宇佐産業科学高校です。
体育館の公演では外光を遮り切れず、舞台が明るくなってしまうことがあります。そうなると、照明の効果が半減してしまうのですが、そんなスタッフの憂いとは逆に、生徒さん一人一人が、舞台にとても集中していました。
改めて、演劇とは、俳優と舞台と、何より客席が融合して生み出されるものだと実感しました。
11月2日、今週唯一の劇場での公演です。尚絅中学高校は1,000人を超すとても大きな学校で、1,100人入る熊本県立劇場も小さく見える程沢山のエネルギーを感じました。
尚絅中学高校の公演が終わりまして、熊本県は山鹿市の城北高校へ移動。トラックで到着した早々、
「宜しくお願いします!」
と、生徒さんの声。翌日からの文化祭の準備のために多くの生徒さんが残る中で、搬入開始!
演劇部と生徒会のメンバーがお手伝いをしてくれましたが、速い速い。全員、走りながら搬入終了!そのまま、舞台の設営を開始しました。
一夜明けて当日。普段なら、授業も始まらない7:30頃から演劇部の生徒さんが待ち構えていました。そして、進行係のメンバーと文化祭のオープニングの進行の打合せ。自分たちイベントを盛り上げようとする演出がふんだんに盛り込まれていました。
生徒さんの意気込み・姿勢に文化祭を成功させようとする熱意をひしひしと感じました。
今週最後の公演は隣町の鹿本町に在る鹿本商工高校です。こちらには、2年前にヘレン・ケラーの公演をしていて、3年生にとっては二度目の風の公演です。朝霧の立ち込める中での搬入になりました。手伝ってくれた生徒さんどうも有難う。そして、本番は少し暑くなってしまいましたが、皆さんのと熱気相俟ってアツイ公演になりました。
公演後もアツク、沢山の生徒さんが手伝ってくれましたが、そんな中での一コマ。トラックを閉めようとする時に一言、
「サインください。」
?、撤去の時の姿を見てとのこと。嬉しかったです。学校の体育館で、生徒さんとふれ合いを持ちながら公演できるという幸せを感じました。
★写真は長崎県立口加高校の体育館公演の片づけでパンチカーペットを巻く作業をする生徒さんたち。
27日(木)は大分の福徳学園高校での公演。朝学校に着いてみると、トラックが入らない!?というハプニングがありましたが、数多くの難関を乗り越えてきた運転の経験と先生方の協力でなんとかクリアー!学校の体育館は小さめでしたが、横幅をギリギリいっぱい使って舞台づくりを工夫した成果があり、会場に入って来た生徒さんや先生方から「すごい!」「迫力あるねー!」と驚きの声が返ってきました。舞台と客席の距離も一段と近かったので芝居の隅々まで見ている様子が感じられ、福徳学院の体育館ならではの公演になりました。片づけを手伝ってくれた部活の皆さん、トラックが学校を出る最後までお付き合いいただいた先生方、ありがとうございました!
一週間の最後は熊本県立劇場・演劇ホールでの真和中学・高校の公演でした。3階席まである大きな劇場で、声もよく響きます。客席の小さな反応まで舞台に届いていました。カーテンコールでは会場を包む暖かい拍手と、3人の出演者それぞれに花束をいただきました。
風の公演が学校のみなさんにとって大切な出会いとなることを願って、次の公演地へと向かいます。
★写真は公演後に出演者と談笑する福徳学院高校の生徒さんたち。
今週の始まり(10月24日)は熊本農業高校の2階にある大きな体育館での公演。前日の夕方から大道具の搬入を行いました。休日の間に蓄えたエネルギーで勢いのあるスタート。
この日は東京から演出の浅野と柴崎美納が公演を見るために熊本に来ており、久しぶりの合流で盛り上がりました。翌日の公演を観て、生徒たちがとてもよく見ていた。新しい発見や解釈が生まれたら取り入れて創っていってほしいと演出からの言葉を残して帰りました。
公演後の後片付けでは有志で集まってくれた生徒さんも多く、先生も「生徒たちの様子がとても楽しそうです。」と喜んでいました。一番最後までお手伝いしてくれた女子バレー部の皆さんもありがとう!
25日は長崎公会堂での長崎女子商業高校の公演でした。10年前から風の舞台を繰り返し観てくれているなじみの深い学校です。今回もとても楽しそうに観てくれた客席の皆さんと、共に創った良い公演でした。また新しい作品でお会いできる日を楽しみにしています。
26日に公演をした熊本市の東海大学附属第二高校は、1992年、風が『Touch』を初めて学校公演に持って行った年に上演している学校で(当時のタイトルは原題の『孤児たち』)今回は13年ぶりの『Touch』。先生方にとっては懐かしさもある公演だったのではないでしょうか。公演後、まず女子生徒さんのグループが、続いて男子生徒さんのグループが三人の出演者に会いたいと楽屋を訪ねてくれました。
★写真は後片づけを手伝ってくれた熊本農業高校の生徒さんたち
久慈東高校の公演を終えて、旅班は青森は五所川原市へと向かいました。
10月17、18日は市内から30分程の所にある北津軽の町、金木高校、鶴田高校での体育館公演。休日からのどしゃぶりの雨のため、体育館前の土がぬかるみトラックがはまり、動かなくなるなどアクシデントもありましたが、当日は雲ひとつない晴天。じっと見つめるまなざしと、楽しそうに見ているまなざし。集中とリラックスを繰り返しながら、観ている生徒さんたちにも日常とは違う緊張感が生まれます。公演後には多くの生徒さんが片付けを伝っていただき、本番とはまた違う開放感も生まれ、役者やスタッフと舞台のしくみを話したり多くの交流がありました。みなさん本当にありがとうございました。
19日は南津軽・藤崎町文化センターが主催する中学校の合同公演。王子が旅する星めぐりの場面では、かけごえがかかるなど大いに盛り上がりを見せた公演でした。公演後は青森から秋田へと移動。20日、秋田中央高校、21日は本荘高校での公演が行なわれました。王子役の白根と、キツネ役の工藤は地元出身。白根ははじめての地元公演ということもあり、心持ち緊張しながらも無事に公演は終了しました。
今週は芸術監督の浅野も途中から旅班に合流。客席とともに何をつくり出しか、生徒さんたちにとって『星の王子さま』はどんな出来事となるのか。「見られることよりも、若い観客を引き受けていくこと」と浅野。それぞれ自身を衝き動かしながら、次の公演地へと向かいました。
☆写真は秋田中央高校 演劇部のみなさんと公演後の舞台にて。
10月8日から11日までの4日間、千葉市の中学生たちによる『星の王子さま』の公演に合流したKAZE『星の王子さま』旅班は、11日の本番を見届け、中学生のみんなに見送られながらその日のうちに山梨県へ。翌12日は山梨県・上野原高校での公演。続けて宮城県・古川学園高校、岩手県・久慈東高校と公演の旅を続けます。
上野原高校では今旅初の“座談会”が行われ、演劇部の皆さんと、芝居について、近々行われる大会に向けての取り組みについてなど、たくさんの話ができました。KAZEのホームページにも公演後さっそく書き込みをいただきました。みなさんありがとう!
公演後、座談会の場や体育館の撤去作業、ホームページへの書き込みなど、生徒さんからの声は私たちの旅の大きな励みになっています。また、「目に見えないもの」の価値を問い続けていく『星の王子さま』の作品に触れながら、公演では、何百人という生徒さんたちの前に立って心を通わせる瞬間があるという喜びを忘れず、私たち自身も、“目に見えないものの大切さ”を感じていきたいと思います。
12日上野原高校、翌13日古川学園高校ともに、体育館での撤去作業にはたくさんの生徒さんたちにお手伝いいただきました。ありがとうございました!
まだ見ぬ生徒さんたちとの出会いを心待ちにしながら、私たちの旅は続きます。
☆写真は古川学園高校で撤去作業を手伝ってくれた生徒さんたち。
10 月17日、宮崎学園高校。この学校では、1990年と2001年に『星の王子さま』そして昨年『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を上演。今回が4度目になります。10月中旬とはいえ、さすが南国宮崎、まだまだ暑い。大きな体育館に1200人の生徒さんたちがギッシリ。客席後方ははるかかなた。皆肩を寄せ合って観てくれました。その暑さにもめげず、最後までくい入るように見つめる生徒さんたち。撤去作業にも「何か手伝いましょうか」と笑顔でかけつけてくれた部活の生徒さんたち、本当にありがとうございました。
翌18日は都城の西中学校。昨日とちがって、こじんまりした体育館に600人ほどの生徒さんたち。風は初めての上演です。リラックスして楽しんで観てくれました。文化委員の生徒さん、遅くまで後片付けの手伝いありがとう!ご担当の先生にも最後までおつき合いいただきました。またの出会いが楽しみです。(私事ではありますが都城は私の出身地、感慨深い公演でした。)
20日、大分県の佐伯鶴城高校。佐伯文化会館での上演でした。この学校は劇団創立間もない1989年に『ハムレット』、そして94年に『Touch』を上演しています。開演前の先生の劇団紹介、ステキでした。これから観る生徒さんたちの期待感を高める効果は抜群でした。本番中に〝長椅子の背もたれがはずれる〟というアクシデントがありましたが、それも含めて楽しんで観てくれた生徒さんたちの熱いまなざしが支えになり、共に場を創る喜びを感じた上演でした。(その日のうちに、生徒さんからの書込みがありました。どうもありがとうございました。)
翌21日は鹿児島県の加治木中学校。ここも風は初めての上演でした。鳩のいる体育館で、「開演中に舞台に出現したらどうしよう」と思っていましたが、なんと開演30分前になると、開けた窓から2羽の鳩が外へ飛び立っていきました。(終演後にはまた戻ってきましたが・・・)。生徒さんたちの集中力はすごかった。全神経を舞台に集中して観てくれました。
今週は4校での上演でしたが、どの学校も終演後にかけつけてくれた生徒さんたちが、「良かった!感動して泣きました。」と言ってくれたのが印象深い出来事でした。
★写真は宮崎県都城市立西中学校の生徒さんたちと出演者三人。
10月8日、『星の王子さま』旅班は千葉市青少年ミュージカル『星の王子さま』の稽古場に合流しました。
この企画は、千葉市教育委員会が主催するもので、平成5年に第1回目の公演が行なわれて以来、今年で7回目の上演になります。
今回、千葉市の中学生33名が出演するミュージカルの企画・制作を風が担当し、構成・演出を俳優の西垣耕造が担当しました。ダンスや歌唱指導を始め、たくさんの方々の協力のもと、ミュージカルは10月11日千葉市民会館で本番を迎えました。
7月の結団式で千葉市内の約15校の中学校から集まった生徒たちが初めて出会い、“人と人とが触れ合う”ことを大切にしたワークショップを重ねて、猛暑の中、みんな汗まみれになりながら、このメンバーでしかつくれない『星の王子さま』をつくってきました。
演出の西垣は、中学生と『星の王子さま』をつくるなかで、「誰もが思う“自分を良く見せたい”という、その気持ちも大切にしながら“人のために何かを行なう”ことにチャレンジしてほしい」と生徒たちに伝えてきました。
旅のメンバーも「人のために何かを行なう」という稽古場に参加し、中学生たちが『星の王子さま』をつくる力強い姿勢と、チーム力に刺激を受けることができました。
千葉の中学生たちがつくった『星の王子さま』の世界をぼく達も大切にして、これからの旅を続けたいと思います。
☆写真は、千葉ミュージカル「星の王子さま」のカーテンコール。
緊張と、不安の中。初日を終えた『星の王子さま』旅班。
新しいメンバーで、相互の関係をより深めながら、作品について、いま『星の王子さま』を上演することの意味について、問いながら続く公演です。
10月4日は滋賀県、5日は大阪での公演。両校とも中学校。
地域によっての反応が違うなと特に思わされる関西の公演。はじめ出演者紹介のアナウンスから爆笑…されてビックリ。でした。
「王子…、飛行士…(まではいいんでしょうね。)花…、キツネ…、ヘビ…、バオバブ」
確かにおもしろいかもしれない。
ノリの良い生徒さんたちを前に、「だけどここで私たちはどんな価値を提案していけるのか」その後、生徒さんたちに楽しさだけではない何かが残ってほしいと願いつつ旅は続きます。
旅班は一旦帰京し、“千葉県青少年ミュージカル『星の王子さま』”中学生たちの『星の王子さま』舞台づくりに合流します。
『Touch』の九州ツアーも2週間が過ぎました。
今週は祝日の日もあり、阿蘇の麓の地獄谷温泉にて、初日祝いを兼ねたバーベキューで一息。トレーラーハウスを借り、温泉を堪能しながら、長いツアーにむけて英気を養いました。
11日は南阿蘇の高森高校での公演。3年前に『星の王子さま』を観てもらった学校で、私たちにとっても大変懐かしい思いで公演に臨みました。大型トラックが体育館まで行けないため、学校が軽トラック3台を用意してくれて、前日の昼間から搬入を開始。休みの日にもかかわらず、生徒会や野球部のみなさん、そして先生方にもお手伝いいただき、明日の公演への盛り上がりがひしひしと伝わってきました。阿蘇の高地という場所にもかかわらず、公演当日はさすがに体育館の中は暑くなりましたが、みんな楽しんで観てくれて笑い声も印象的な公演でした。後かたづけの時には、本当にたくさんの生徒さんがお手伝いに来てくれてありがたく思います。
12日は長崎県の諫早東高校での公演。学校創立以来23年間で、初めての演劇鑑賞とのこと。公演後の座談会では、多くの生徒さんが興味を持って集まってきてくれました。「本物の舞台芸術を観るのは初めての経験で感動でした」と、みなさんに喜んでもらえたのが嬉しかったです。
再び熊本に行き、14日は八代東高校での公演。運動部が活発な学校でもあり、朝会うとみんなとても元気に声をかけてくれました。公演も客席が集中していくところと、リラックスしていく感じが舞台上からもよくわかり、生徒たちの熱い視線を感じながらの上演でした。
来週はまたどんな出会いがまっているのか…
旅班みんな楽しみにいい公演を創り出していきたいと思っています。
★写真は熊本県高森高校の公演後に道具の積み替えをする劇団員と学校の皆さん。