旅公演日記
旅公演日記2002秋
星の王子さま Le Petit Prince
九州、沖縄、中国、中部、北陸地方
<キャスト> | |
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王子: | 東珠実 |
飛行士: | 緒方一則 |
ヘビ: | 酒井宗親 |
キツネ: | 工藤順子 |
花: | 柴崎美納/仲村三千代 |
星の住人たち: | 加藤泰斗/栗山友彦 |
ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち~
関東地方
<キャスト> | |
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ヘレン・ケラー: | 白根有子 |
アニー・サリバン: | 柴崎美納 |
アーサー・ケラー: | 酒井宗親 |
ケート・ケラー: | 斎藤清美 |
アナグノス: | 柳瀬太一 |
ジェイムス・ケラー: | 栗山友彦 |
ビニー: | 清水菜穂子 |
パーシー: | 稲葉礼恵 |
医者: | 加藤泰斗 |
☆10月9日に東京を出発した『星の王子さま』の旅公演も、12月19日大分県・日田市の藤蔭高校で無事千秋楽を迎えました。
☆前旅日記の奄美大島の公演後は、宮崎日本大学中学・高校の体育館で公演。以前、『Touch-孤独から愛へ』の芝居でも伺ったことがある学校で、懐かしい思いもありました。会場いっぱいの元気な生徒たちは、二回の公演とも、寒さも忘れて見入ってくれていました.舞台撤去には先生方をはじめ、たくさんの生徒のみなさん方が、入れ代わり立ち代りお手伝いいただきまして、ほんとうにありがとうございました。
☆それから私たちは、再びフェリーに乗り込んで種子島へと向かいました。この島へはメンバー一同、初めて伺いました。公演前日には、ちょっとした時間を利用して【宇宙開発センター】を見学。星の王子さまの舞台も広い宇宙空間ですから、小惑星の説明などを覗きながらセンターを出ると、そこに鮮やかな夕焼け。王子さまは一日に43回も夕日を眺めたことがありますが、こんな夕焼けならいつまでも眺めていたいなと思いました。翌日の公演は中種子高校と南種子高校の合同公演でした。開演前の会場の期待感や興奮がスタンバイをしている役者やスタッフたちに、程よい緊張を与えていました。そして本番。静かに、そして真剣に芝居を見ている姿が印象的でした。星めぐりなどの場面はゆったりと、ラストシーンなどはじっくりと見ていて、その客席の空気の変化が面白い公演でした。
☆12月18日は今旅最後の体育館公演となる串木野高校での公演。客席に集まった400人ほどの生徒さんたちの一人一人がそれぞれの目線で芝居を見ている・・・そんな感じの舞台でした。客席が個性を失わずにしかも一つの芝居に集中している姿は、何だか不思議で生き生きとしていました。終演後の座談会も、舞台の様々なことに興味を持ちつつ、しっかりと相手を捉えながら話す様子が印象的だったと王子役の東珠実から話を聞きました。搬出作業も手伝って頂き、最後まで一緒にこの公演をつくることが出来たのではないかと思います。
☆今旅の千秋楽は日田の藤蔭高校。・・・じっくり!しっかり!!そんな言葉を使いたくなるような客席で、本当によく見てくれていました。この視線に対していくところに芝居があって、感動や出会いといったものもそこにあるような気がします。藤蔭高校のみなさん、ありがとうございました。
☆『星の王子様』49ステージの秋のツアーも終えました。通算では1000ステージを越えたこの公演の成果は大きいと思います。それは現代の若い人たちが何を見、何を聞き、何を求めているのかをずっと考えながら一回一回芝居をつくってきたという一つの成果です。この成果と課題を抱えて、いよいよ『レパートリーシアターKAZE』がはじまります。
(写真は宮崎日本大学中学・高校での座談会風景)
☆12月1日。AM9:00。今日は伊集院の教育委員会主催の公演です。どんな公演となるか楽しみです。
PM11:30。照明の明かり合わせ、音響のリハーサルが終わり、PM13:30、いよいよ会場となりました。そこには子供たちや家族の方、若いカップル、年輩の方といろいろな方が劇場に足を運んで下さいました。PM14:00、開演となりました。集中されている舞台と観客の間に子供たちが楽しそうに笑っている姿がありました。それは点灯夫と王子が話している場面でした。この場面は小道具の外灯を裏でテグスを引いて点灯夫の動きに合わせ、明滅を繰り返しています。子供たちは食い入るように見ていましたが、その姿を見たときに自分は子供の心を失っていたなと感じました。
☆12月4日、鹿児島県吉野町にある吉野中学校の公演です。1000人以上の生徒さんがいる学校で、体育館いっぱいに生徒さんが集まりました。後ろの方は見にくいかと心配しましたが、とても集中して舞台を見ていました。舞台を通して何かを感じてくれた生徒さんがいっぱいいました。搬出を手伝ってくれた生徒さんの中に照明のことや舞台のこと
など感想を話してくれた生徒さんがいました。吉野中学校の皆さん、ありがとうございました。
☆12月7日は、神村学園初等部、中等部、高等部の公演でした。この公演では生徒さんも芝居に参加し、先生も役者となり、みんなで作り上げた公演でした。クライマックスで歌われる「僕は行く」をみんなで歌い上げ、星へ帰っていく王子を飛行士と一緒に励まし、勇気付け、見送りました。終演後、搬出作業を手伝ってくれた生徒さんの明るい表情が印象的でした。神村学園のみなさん、ありがとうございました。
☆12月9日、奄美大島にある瀬戸内町の古仁屋高校の公演です。鹿児島からフェリーで7時間かけて朝6時前に名瀬港に到着しました。学校には7時頃到着しました。フェリーの中ではアトリエの会員No12さんと驚きの合流。学校公演を初めて見たというNo12さんは仕込みや搬出まで手伝ってくれました。 200人ぐらいの生徒さんたちは、物音一つたたぬほど静かに集中して見ていました。古仁屋高校の生徒のみなさん、ありがとうございました。
☆12月10,11日。大島北高校、大島工業、大島高校、奄美高校の4ステージがありました。どの学校もそれぞれ生徒さんの舞台の見方が違い、大変面白い公演になりました。舞台をよく見て盛り上げていました。学校公演ならではの公演でした。大島北高校、大島工業、大島高校、奄美高校のみなさん、ありがとうございました。(写真は神村学園の生徒さんたち。真剣な目線が印象的です)
12 月19日、栃木県・今市高校の公演で、2002年10月7日から始まった『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』旅公演が千秋楽を迎えました。公演前日、約2ヶ月半にわたる旅公演をともにつくってきたキャスト・スタッフでささやかにお疲れさまの打ち上げ。最後の1ステージとなる今市高校の公演に気力も充分蓄えて、ラストステージへと向かいました。
「ヘレン・ケラーの物語を知ると同時に、君達自身のそれぞれの感覚で劇を見てほしい。」という先生のあいさつから舞台は開演。開演中生徒さんたちはじっと静かに、それぞれの視点で劇に向かっているようでした。公演後の座談会には演劇部の生徒さんたちが参加。少し緊張しながらも、役のことなど、自分たち自身も芝居をつくっている演劇部の生徒さんたちから率直な質問を受けました。その中で「今日の舞台を見て、信頼関係がたいせつなんだとあらためて感じた。」と語ってくれた生徒さん、「私たちも演じる上でとても大切にしていることです。」と答えたとき、私たちがこの旅を通してやりぬいてきた事とともに、まだまだこのメンバーでつくり続けていく事がたくさんあると、あらためて感じられた今年最後のステージでした。
この日の公演後旅班は東京へ帰り、遅れて到着する『星の王子さま』旅班とともに23日、風アトリエの会との年末納会です。その後来年に向けて、レパートリーシアターの実現に向けて、また新たに稽古・ワークショップがスタートします。公演に力を尽くしてくださった皆さん、ありがとうございました!(写真は、今市高校公演終了後の座談会で。)
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これで“2002秋 旅公演日記 『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』”は終了です。
今回の旅日記にも、1回1回の公演で書ききれなかったことがたくさんあります。公演中頂いたたくさんのホームページへの書き込み、そして送っていただいた感想文の数々は『ヘレン・ケラー』『星の王子さま』ともにとても励みになりました。ありがとうございました!
今年の『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』の旅も最後の1週間になってしまった。
12月15日劇場を出発し、千葉県・木更津市に向かう途中、東京湾に沈む真っ赤な太陽がゆれているように見える。もしかしたらこんな太陽をはじめて見るのではと、感激。
16日は木更津市市民会館に、1200人の木更津高校の生徒さんがいっぱいの公演だった。開演前や、休憩中は元気な声が聞こえていたが、芝居が始まると集中して見入っていた。リラックスもしていて、1人ひとりの思いで見ている感じが伝わってきた。
この日、演出の浅野と舞台美術家の若瀬氏も来られた。若瀬氏は木更津高校の出身で、母校の生徒たちがどんなふうに観劇するのか気にされていた。舞台のバラシも終わった別れ際(若瀬氏には公演前の準備から舞台のバラシまで手伝ってもらい)感想を聞かせてもらった。休憩中に指文字をやっていた生徒たちや、アニーとヘレンがするように顔を触り合う生徒たちの姿を見て、生徒たちが舞台から受けとめているものがあることに感激したこと、そして後輩たちを誇りに思ったと、私たちにもありがたい感想を少し目を赤くされながら話してくれた。若瀬さんの30余年ぶりの母校公演での生徒たちとの出会いに元気をもらい、私たちは木更津を後にした。
翌17日は外房の大原文化センターで大原高校の公演だった。前夜のちょっと荒れ模様の気候とは違い、開演前の客席からは穏やかな空気を感じた。芝居が始まり集中していく生徒たちの居かたは、其々が無理がない状態で見ているのが感じられた。見入りながら、所々で小さな反応が返ってきていた。カーテンコールで女子生徒が花束を渡しながら言ってくれた「ありがとうございました」のひと言は小声ながら力のある声だった。このたびも後1ステージを残す所となってしまった。
昨日16日から同行している演出の浅野が終演後、風がレパートリーシアターを進めていくことから、課題に触れながら話す言葉は、あらためて1人ひとりがこの旅を問い返す時間を持つことになる。『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』の旅は、レパートリーシアターをつくっていくことの中で厳しさも増しながら続いていく。
★写真は木更津高校公演終了後の座談会。この日は、芝居を見た感想から俳優という職業についてなどじっくりとお話できたことがとても印象に残っています。芝居の時間とともに、生徒さんを近く感じてお話しができた楽しい時間でした!
また、『星の王子さま』旅班は今月、ネットワークの都合により少し旅日記が遅れていますが、もう少々お待ちください。
12月9日、神奈川県の鶴間中学校。今旅(年)最後の体育館での公演。前日に元気のいいサッカー部の生徒たちが手伝ってくれて、搬入だけは済ませておいた。当日は関東地方を襲った記録的な寒波の影響で、朝から大雪。台詞を喋るたびにゴジラのように白い息を吐く。そんな状況・環境にもかかわらず、生徒たちはすごい集中力で舞台を見つめている。寒さも忘れて、体育館は熱い息吹の交流の場となった。
12月10日、茨城県の佐竹高校。「昨日じゃなくてよかったです。昨日は大雪のために休校でしたから。」と担当の先生が胸をなでおろしている。あぶなかった!終演後に、搬出をしているトラックのそばへバイクに乗った生徒がわざわざ寄ってきた。彼は「面白かったです。なんか元気になったというか、うれしくなってきました。」と叫んで、走り去っていった。
12月11日、千葉県の布佐高校。シーンと静まり返った満席の客席。終演後に「楽しかったです。」と一言だけ告げるために楽屋を訪れた生徒。その生徒の話を聞いた担当の先生は、「うちの生徒はじっと静かに舞台を見つめていました。それは彼らが、友達や家族をはじめ、人とのつながりの中に自分の身を置いてみたいという意思表示なのでしょうか。」と静かに語ったことが印象的だった。
12月12日山梨県の大月短大付属高校。なごやかな客席でよく笑う。バラシも終わろうかというときに部活を終えて市民会館まで戻ってきた男子生徒がいた。彼は出演者全員に「サインしてください。」とだけ声をかけてくる。朴訥な彼は、今日のこの時間を少しでも何らかの形で残したいという思いでいっぱいだったのだろう。
『ヘレン・ケラー』の旅も今年はあと1週間!!
★9日の鶴間中学校、11日の布佐高校からは公演後風ホームページの《風の掲示板》に書き込みを頂きました。どうもありがとう!
写真は、鶴間中学校の搬入を手伝ってくれた、サッカー部の生徒さんたち。皆さんお疲れ様でした。
広島での一般公演を終え、22日旅班は一旦帰京。29日まで舞台はありませんでした。でもその間には群馬県・月夜野町で風アトリエの会の方々との「りんご狩り&バーベキュー大会」(11/23・24)、3ヶ月のアメリカ滞在研修を終えた劇団員西垣耕造の帰国報告会(11/27)、と忙しい日々を過ごした。(ホームページ《風の便り》のページをぜひ見てください)
自前りんご園の新鮮なりんごをはじめ、英気を充分に養ったメンバーは28日、翌日の公演準備のため静岡県の相良高校体育館へ。大きな体育館ではあるが、今回は照明機材を仮設するためのローリングタワーを、客席部分を含めてフロア部分に組み上げなければならない。生徒数も多く、公演当日は体育館の本来ステージとして使っている部分も客席となり椅子が並べられた。
旅の途中、1日芝居をしなかっただけで次の舞台は久しぶりのような気がしてしまうが、1週間ぶりの舞台は緊張感とともにうれしいという実感がある。そして公演当日、最前列に座る生徒さんは舞台すれすれまで迫っているし、客席全体すごいパワーを放っている。体育館公演のおもしろさを担当の先生にお話する時生徒の皆さんの側からお話するのはもちろんだが、公演中は舞台に立っている私たちも、客席の近さ、生徒さんたちのダイレクトな反応を楽しんでいるのだ。昨夜の星空から寒い日になるのではと心配したが、終演後の生徒の皆さんからは「そんなの感じなかった」の声。生徒の皆さんに声をかけてもらい、舞台の片づけを手伝ってもらいながら、公演終演後も皆さんとの共有の場はつづく。
また1週間がたち、12月5日は岐阜県・中津川工業高校の公演。
この公演前に私は、私の初舞台から20年来応援していただいているS先生から一通の手紙を受け取った。私塾を経営するS先生は塾生の好奇心と自主性を優先し、一時期は年に何度かの観劇、オーケストラ鑑賞、遠足や勉強学習などを実行していた。いわゆる学習塾とは一線を画し、“子どもを育てることでいい”ということを実践されていた。しかし20年のうちに塾生も激減し、最近ではとうとう家庭の経済状況もあって「いい芝居を見ることがむずかしくなった。ここ数年は風に出かけることもむずかしいと思います。」という手紙だった。
一部の学校では最近、授業時間の確保、そして芝居を見たければ各自が見ればいいという考えから、芸術鑑賞や演劇鑑賞の時間が削られることがある。だからといって個人が観劇する機会は必ずしも増えているわけではないと私は思う。そんなことを考えているうちの公演当日だった。
開演前のベルの音が大きくて、袖中にいた役者は一瞬身を硬くしたが、どっと湧いた客席に大いに救われた。客席のリラックスした空気と、舞台に集中している感じが伝わってきて、昨日までの個人的な思い入れを吹き飛ばしてくれた。この日は座談会も無く、生徒さんと直接お話することはできなかったが、私にとって、あらためて学校公演を続けていきたいと感じられた1日でした。
★相良高校体育館で、ローリングタワーを組み上げて作った舞台部分。
11月も中盤にはいって、めっきり日が短くなり、朝晩の寒さも厳しく感じられるようになりました。
今週は、11月18日、兵庫県西宮市の上甲子園中学校の公演から始まり、19日、愛知県の知立東高校、20日、大阪薫英女学院中学校、21日広島での一般の公演を行ないました。
上甲子園中学校、大阪薫英女学院中学校のふたつの中学校の公演ではどちらの学校も、開演すると生徒さんたちがとても集中して舞台で行なわれていることを感じているのが、伝わってきました。そしてときには、かすかながら笑い声や、驚きの声がきこえてきました。生徒さんの舞台への反応を受けながら、私達も客席と舞台とが共に創る芝居の大切さを感じた公演でした。
上甲子園中学校の舞台終演後には、舞台裏を支えるスタッフと、希望者の生徒さんとの、バックステージワークショップを行いました。舞台監督の山根さんのリードにより、約10名の生徒さんが舞台上に上がり、芝居中ヘレンが遊んだり、ビニーが洗濯をしていた、井戸のポンプから水を出すことを体験するワークショップを行いました。ワークショップに参加された生徒さんがたは少し緊張されていたようでしたが、どちらの組も、しっかり水をだしていました。
大阪薫英中学校の舞台終演後には、演劇鑑賞会担当の先生が楽屋を訪れ、興奮さめやまぬ状態で公演の感想をいただき、出演者みんなに声をかけていただいたことや、数名の生徒さんが、芝居の感想や、劇団員への励ましの言葉が書いてある手紙をヘレンに直接渡したいと、わざわざ訪ねて来てくれた事が、私達の喜びと元気になりました。
知立東高校の公演も、とても印象的なものになりました。
開演を迎え、終演、カーテンコールの最後の拍手まで、生徒さんの熱気、舞台上の登場人物に対する暖かい空気が、3階の体育館全体を包んでいました。それは、ヘレンやアニーの身体を使った動きや、舞台上で行なわれる、関係の変化や中断がおこったときに、生徒さんの拍手や笑い声、時には役の人物に叫ぶように語り掛ける生徒さんの姿で、私達に伝わってきました。
カーテンコールでは、花束と、生徒会長さんのお礼の言葉をいただきました。ユニークな生徒会長さんで、ヘレンの身振りをしながらやってきました。そして、挨拶の後、ヘレン役の白根に「ヘレンのこの身振りには、どんな意味があるのですか。」といって自分の身体をつかって、伝えようとしていました。それは、ヘレンが、身体全体を使って腕をおおきく天に向かって広げる身振りや、お母さんを呼ぶときの、自分の頬をたたく身振りでした。
舞台上で白根が演じるヘレンの身振りに対して、生徒会長さんのように興味を持たれた生徒さんは、少なくなかったのではないでしょうか。そのような身振りは、観客の生徒さんが、感じたままに受け取ってもらうことが、大切なことではないかと、私は思います。
ヘレン・ケラーの芝居を、若い観客がどのように観ているのか、何を感じているのかということを、旅のメンバーがあらためて考えた公演でした。
広島での一般公演は、実行委員会の努力により、たくさんの観客のなかで幕を開けました。なかには、親子づれの方もいらして、小学生ぐらいのお子さんもたくさん観劇された広島公演でしたが、私達も広島の方々の真剣な眼差しや、パワーに刺激を受けて、とても印象深い舞台になりました。実行委員会の皆さん、おつかれさまでした!
広島での一般公演については、ホームページの《風の便り》のページでも紹介しています。そちらもご覧ください。また、大阪薫英女学院の生徒さんや広島実行委員の皆さんからさっそく公演後《風の掲示板》に書き込みをいただきました。皆さんありがとうございました!!
★写真は知立東高校。日が暮れるまで舞台撤去を手伝ってくれた生徒さんたち。
11月13日から15日は連日長時間の移動をしながらの公演でした。
13日は富山県・小杉高校。風は以前、文化庁ふれあい事業『星の王子さま』参加型公演で小杉町を訪れたことがあり、なつかしい気持ちで伺いました。
朝から天候があまりかんばしくなく、早めに打ち合わせの為に会場に来てくださったご担当の先生と生徒さんたちの移動を心配しましたが、無事開演。外の天候などよそに、元気で暖かい客席からのまなざしを感じた公演でした。座談会は演劇部と有志の皆さんが参加。公演の場をともに過ごしたことが感じられるリラックスしたムードの中で、今一緒にいる仲間と何がつくり出せるのかと迷いながらも、お互いを見つめながら活動をしている演劇部の皆さんの姿が印象的でした。昼間ちらついていた雪が夕方には本格的に降りはじめ、トラックはチェーンを装着しての移動。道路状況を心配しつつも、今年初めての本格的な雪におおはしゃぎのメンバーもいました。
14日は三重県・伊勢工業高校での公演。こちらも終演後に座談会があり、出席した白根と柴崎に俳優として、またひとりの人間としての関心を持った質問がむけられ、公演の場が、そこにいた一人一人の人間どおしの〈出会いの場〉であった事をうれしく思いました。(翌日すぐに座談会に出席されていた先生からHP に書き込みもいただきました。ありがとうございました)
15日津山工業高校は、会場となった津山文化センターが満席の公演でした。客席数1054席、天井まで届きそうな3F席まであるホールが彼らの熱気でいっぱいだったのが印象的です。終演後ご担当の先生から、スポーツが盛んな学校で(特に花園へは常連とのこと)普段から元気いっぱいの生徒たちなのだと聞き「なるほど」という感じ。身体ごとぶつかり合うような(?)舞台と客席の交流がおもしろい公演でした。
★写真は、13日小杉高校公演終了後の座談会で、出席した生徒さんたちと。
☆長崎県の五島列島に位置する福江市。11月26日は福江文化会館での三校合同公演。五島商業高校、五島南高校、富江高校と、それぞれの学校の生徒さん達から非常に期待のこもった真剣な眼差しを感じた公演でした。終演後の座談会は時間があまり取れなかったのですが早速掲示板に書込みがあり、心に残る何かがあっての反応だろうと嬉しく思い、舞台に立つ気持ちも新たにしました。
☆11月28日は鹿児島県川辺市にある川辺高校の公演。ここの生徒さん達は非常にノリがよく、舞台そのものも即興的な面白みがあったと思います。役者達一人一人がそれぞれ客席と(面白さ)を共有しつつ公演を終えました。
☆次の日は熊本県本渡市の天草工業高校の公演。工業高校ということもあり、久々に男子生徒の圧倒的に多い客席。どのような視線で観、何を『星の王子さま』の世界に感じるのかと思いつつ体当たりで本番に臨みました。舞台そのものは真剣な眼差しと向き合う中、その場にある空気のようなものをとらえ、演じるといった感じ。あの真剣な眼差しを見るにつけ、舞台上で創り出された何かを共に感じられたのではないかと思います。
☆11月23日は水俣にある『ガイアみなまた』に遊びに行きました。この日誌を見ている人は『ガイアみなまた』についてほとんど知らないと思いますので、以下に若干の紹介として『ガイアみなまた』の高倉史朗さんの原稿を原文のまま掲載します。
水俣はたくさんの人を惹きつけてきた。水俣病事件が取り持つ縁とでもいうのだろうか。一人一人の被害者の多種多様な魅力に誘われて水俣に居ついた「よそもん」は十や二十ではきかない。
『ガイアみなまた』を創立したのは1990年。それまで水俣病センター相思社で活動していた9人が新天地を求めた。相思社でやってきたように水俣病患者の社会運動をお手伝いしながら、さらに自分たちの生活の場を求めたかった。『ガイア』とはギリシャ神話に出てくる台地の女神の名。(最近では英国の学者が地球の生態系をあらわすのにこの言葉を使った)
水俣病を引き起こした『チッソ』を糾弾しながら、ふりかえれば海を汚し、大気を汚染する自分たちがいた。耕していた畑も他人のものである限り、何年かすれば返却を求められる。自分たちの根拠地を持ち、他人を責めて成り立つのではない思想が欲しかった。それぞれの考え方は異なるが、相思社で学んできた(共に暮らす)という生活方法も続けたかった。
ぼくらの出発を応援してくれたのは、それまでぼくらが支援していたはずの水俣病患者だった。畑を提供してくれる人があらわれ、建物の建設資金にとカンパしてくれる人があらわれた。みかんの木の育て方も教えてもらった。「光と風を枝の間に入れてあげなさい。」不安でいっぱいのぼくらにこんあにふさわしく心を励ます言葉が他にあっただろうか。
あれから12年。当初の思いに比べれば成しえたことはわずかだけれど、それでも畑を耕し、みかんを育て、近隣の生産者と共同で販売組織を作り、マーマレードを加工してどにか生きている。水俣病を学びにくる人たちも足がかりに使ってくれるし、演劇集団として独自の生活を続ける『風』のみんなも時に立ち寄ってくれて杯を交わす。そんな場は作れた。
「人生50年」ならもう終わりだが、これからどう年をとるのか、これかわどう人を迎えるのか、親元を次々と巣立っていく子どもたちを見送りながら、かつて笑いながら合言葉とした「おれらのもうけは生きもうけ」ともう一度つぶやいている。
☆旅メンバーは全員そこにお邪魔して、昼間に釣ってきた魚や買い込んできた肉などでバーベキューを満喫しました。劇団員は久々ということもあって募る話に花も咲き、楽しいひとときを過ごしました。『ガイア水俣』の皆さん、ありがとうございました!! またお邪魔します。
(写真提供は趙東風さん。ありがとうございました)
今週の始まりは11月10日の日曜日、高槻市立第七中学校の仕込みから。道幅が狭く、11tトラックが学校体育館まで進入できるか不確定だったので、念のため前日に現場入り。でも先生方が近所の方々に呼びかけておいて下さったので、路上の駐車もなく、無事体育館までトラックを誘導できました。翌当日の公演は生徒数も約400名と少なく、小ぶりの体育館にちょうど良い具合の舞台と客席での公演となりました。楽屋にお借りしたカウンセラー室、座談会会場となったもうひとつのカウンセラー室などが暖かい空間をつくっていること、行き交う先生方のご様子がこの学校行事にとても協力的なことが印象に深く残り、学校全体として、生徒さんたちの心に働きかけようとする配慮が、強く感じられる2日間でした。
翌12日は兵庫県氷上高校。3年に1回演劇鑑賞を持っている氷上高校で風は、前回の3年前には同じ『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を、そのまた3年前には『Touch~孤独から愛へ』を、さらに3年前には、『星の王子さま』を公演させていただいています。学校を取り囲むような山に、紅葉の美しい木々が陽に映えて、気持ちの良い一日の始まり。本番では制服の、太いズボンを腰まで下げた男子生徒たちが、一番前の席で何やら芝居の批評をしながら観劇をしています。終演後、体育館を出たところで、ボンタン(いまは太ズボン、そんな風にいわないかも)の生徒たちにばったり。「ヘレンはあの後どうなるの?」「サリバンせんせ~、写真撮ろ~!」というかんじで、一足早く楽屋に戻っていたヘレン役の白根も呼んできて、交流&撮影会となりました。舞台では、有志の生徒さんたちが撤去も手伝ってくださり、ありがとうございました。また3年後にやって来たいと思っています!!
★写真は氷上高校体育館での撤去の様子。
旅公演もいよいよ中日を迎えました。11月14日の宮崎西高校の公演です。風の掲示板にもここの生徒さんから書き込みがありましたが、この日終演後の生徒さんの挨拶では、思わず感極まって涙をこらえながら、嗚咽をもらしながらの感想を語ってくれました。演劇を通してダイレクトに伝わっていく感動の重さを、彼の言葉を聞きながら私たちもあらためて感じました。1500人というたくさんの会場でしたが、その挨拶に「がんばれ…」と声をかけてくれた生徒さんたち…。ひとり一人がその場に参加して、同じ時空を共に創っていったんだなと感じます。
16日は劇団員の柳瀬太一の母校である北九州の小倉西高校での公演でした。残念ながら本人は『ヘレン・ケラー』の旅公演中で、母校のみんなに会うことは出来ませんでしたが、西高のみんなは大変な盛りあがりようで、わたし達の舞台を迎えてくれました。舞台撤去の時、一生懸命がんばってくれた野球部の皆さん、ありがとう。
中日を過ぎ、東京から演出の浅野氏も合流して熊本・松島商業高校の体育館公演、そして大分女子高校の文化センターでの公演を観劇。これからもしっかりと『星の王子さま』の作品世界を深く若い観客たちに共有してもらえるよう、旅のメンバーたちと宿に帰ってからの時間を過ごしました。
週終わりの金曜日、22日は鹿児島県市来町での公演。午後、市来農芸高校の学校公演、夜は18時30分より教育委員会主催の一般公演でした。教育委員会の熱心な取り組みのおかげで客席はほぼいっぱい。王子さまにふりまわされる飛行士に、星の住人たちに、蛇に笑う、小さな子どもたちとお父さんお母さんたちの声が一緒になって会場に響き、カーテンコールの大きな拍手に、人が一緒になって何か感じたり、笑ったりできるる瞬間の尊さを思いました。
(写真は小倉西高。2階の体育館より大道具を搬出するところを手伝ってくれた野球部の面々)
東北・関東地区のツアーは先週で一区切り。11月3日、旅班は西日本ツアーに向けて出発!
琵琶湖近くのいつもお世話になっている旅館「松乃荘」で、少し早い中日祝いをして、今週の公演がスタートしました。
4日朝、快晴!明石大橋を渡り、高知県・岡豊高校へ。学校では大勢の生徒さんが出迎えてくれました。
担当の先生は数年前からヘレン・ケラーの物語を上演したいと考えていたそうで、公演が実現できたことは私たちも嬉しく思います。ヘレン・ケラーをよく知っている人にとっても新鮮な発見があり、知らなかった人にも感覚を通して様々なことが伝わる、そんな生き生きした舞台を毎回創りたいです。
体育館は1200人近い生徒さんで満席!活気のある公演でした。座談会には演劇部の皆さんが参加し、芝居作りへの強い関心がこちらにも伝わりました。2階の体育館での仕込み・撤去は大変でしたが、学校の皆さんと一緒に道具を運び、これもまた楽しい時間でした。
6日、岡山県・興陽高校の体育館公演。演劇部の生徒さんと顧問の先生が準備から終わりまで頑張って下さいました。《風の掲示板》にこの日の生徒さんから「見た後は、なにか大切な事やらなにやらで心がジーンとなりました。」という書き込みがありました。生徒さん一人一人の中にひびいたものがあったなら、私たちにとって一番の喜びです。
8日は近畿大学付属東広島中学・高校の公演でした。中央公民館で午前・中学校、午後・高校と2回の上演。
2回の公演共に、おちついた雰囲気でじっくり観てくれているなあ、と舞台の上から感じていました。前日の準備から公演当日まで、先生方の行事に向かう熱心さとチームワークの良さが印象に残っています。その関係のあたたかさが、きっと生徒さんたちにも少しずつ伝わっているのではないかと座談会の場で感じました。(と、柴崎・白根から聞きました。)生徒さんから「星の王子さまも見たくなりました。」という嬉しい意見も出ました。ぜひ実現させたいですね!
また、この日の公演には、11月21日に公演を行う広島一般公演の実行委員の人たちが観に来てくれました。大学生や元暴走族のメンバーが、若い人たちのために何かしたいと取り組んでいる公演です。公演当日に向けて盛り上がっていますので、旅日記の続きを乞御期待!!
★写真は体育館の撤去でカーペーットを巻き終わって満足の2人。(演劇部の生徒さんと、ケート・ケラー役の斎藤清美)
10月28日から11月2日。アニー・サリバン役に、柴崎美納を加えて始まった一週間は、千葉県・市川工業高校、栃木県・真岡工業高校、秋田県・秋田西高校、東京都・法政大学第二高校、茨城県・水戸女子高校での公演でした。
28日(月)市川工業高校の公演は、新しいメンバーになっての初日。生徒さんたちは、会場となった市川市文化会館に入るなリ、なかなかの迫力。私たちも初日のような緊張感を持ちながらのぞんだ公演でした。終演後担当の鈴木先生は「この公演を見た生徒達が自分達になにを求めてくるのか怖い気がします。」と話していらっしゃいました。ヘレンとアニーとの間に起こる関係が、実際いま生徒であり先生である学校の皆さんにどう受け止められていくのか、それぞれの学校で持つ関係もそれぞれだと、公演後のこの言葉はとても印象的でした。
29日(火)は真岡工業高校(真岡市市民会館)での公演。こちらも、前日に引き続き元気な工業高校でした。芝居が進むにつれ一人一人の視線が強く舞台に向かっていて、それぞれの感覚で芝居を見ているという感じのする公演でした。座談会もなく、生徒さんとじかにお話する機会はありませんでしたが、芝居中のふとした強い視線のなかで舞台と共有する空気が楽しい公演でした。
29日公演終了後、栃木県から8時間の移動を経て旅班は一路秋田県へ。30日(水)は秋田西高校での公演。会場となった県民会館は先週私の母校公演で公演した会場です。この日は朝から西高校の演劇部が搬入作業を手伝ってくれました。キャスト・スタッフと話をしながら搬入・仕込みの作業をともに行い、公演を観て、座談会と演劇部の皆さんはフルコースでしたが、公演とともに一緒に行なった作業のなかにもたくさんの印象を残してくれようです。
11月に入り1日(金)今度は東京へ戻って、法政大学第二高校での公演と、長距離移動の続いたこの週。文化祭の行事として行なわれた演劇鑑賞は実行委員会の皆さんの意気込みがとても伝わってきて、企画から劇団との打ち合わせ、そして公演当日の進行や会場整理まで、力を合わせて頑張ってくれました。皆さん本当にお疲れ様でした。2000人を2度に分けての公演という、生徒数の多い学校でしたが、じっと舞台に集中してみてくれたようです。
今週最後となったのは、水戸女子高校、体育館での公演。仕込み中あいさつを交わす生徒さんたちの爽やかな笑顔が印象に残ります。公演中は舞台の出来事一つ一つをよく見ているなあという感じ。そして何度か起こる笑い声からは、一人一人が楽しんで観てくれていると感じられた公演でした。
びっしりの一週間。長距離の移動、週末は夜仕込みとハードな週でしたが、大変な時ほどどのくらいお互いを信頼しながら旅をつくっていけるのか、あらためて考えさせられた週となりました。
★写真は秋田西高校の生徒さんたちとともに座談会終了後。
10月の最終週から11月の第1、2週にかけて私達は、鹿児島、福岡、長崎、熊本と九州を縦断。文化祭シーズンで、長崎県・西彼杵高校、熊本県・芦北高校、長崎県・国見高校は文化祭の中の催し物として体育館で『星の王子さま』が観劇された。タイムスケジュールはびっしり詰まっている。そのために夜中2時3時まで設営が続くこともある。(体調管理のため、俳優はスタッフより先に帰らせてもらっています!)。先生にもいろいろご協力いただき、ありがとうございました。
そんな厳しさのなかでも、体育館の公演は生徒と触れ合う機会が比較的多い。「風の公演の面白さは、出会いがある、ということ。他の仕事ではそうはいかない。だから照明のことでも生徒に聞かれれば、最大限の時間を割いて話してあげたい。そのことで将来演劇や、照明に興味をもってくれたら、それほどすばらしいことはないからね」。と語るのは照明チーフの坂野貢也さん。
鹿児島の学芸高校、志学館、伊集院高校、福岡の精華女子高校、佐賀の伊万里高校は会館での公演だったが、一回一回の舞台を大事にし、循環させていくためにも、終演後の座談会やホームページへの書込みは、舞台をどう受け止めてくれたか知り、思考していくための貴重な機会となる。
「登場人物の互いのやり取りが面白くて、そこから物語の世界に引き込まれていく」という感想をよくきく。人との関係、そこがこの舞台の出発点であり、終着点だとあらためて思わされる。
阿蘇の高森高校、ここは演劇鑑賞はずっと行なわれていなかった。「行事精選といわれる中、高森高校は年々行事を増やし、充実させていってます。生徒がよく動いて、どんどん面白くしていくんですよ。小さな学校ですが、いつか演劇を、というのがぼくの夢でした」と担当の先生は言っていた。ここは生徒達も先生達もとても仲が良い。彼らの「高校時代」という独立した時間に『星の王子さま』が記憶として加わってくれたとしたら、とても嬉しいです。
(写真は電源車の撤去作業をする坂野氏と生徒さん)
茨城県での公演を終え、神奈川県へ。10月25日(金)は横浜市・日野南中学校の体育館での公演。こちらも文化祭行事の締めくくりとして『ヘレン・ケラー』が上演されました。久々の中学校での公演は、元気な生徒さんたちに圧倒されつつ、人数約500人の体育館公演ということもあって芝居を観ている生徒さんをとても近くに感じられた公演でした。公演後の撤去には文化祭実行委員会の生徒さんたちが中心となって頑張ってくれました。また、飛び入り参加してくれたのは野球部・バレー部の生徒さんたち。公演を観たあとの感触を残しながら、それぞれの俳優に話し掛けたり、元気いっぱいで手伝ってくれました。公演後すぐ、搬入から搬出までずっと一緒に手伝ってくださった海老塚先生が、風のホームページ《風の掲示板》に感想を書いてくださりました。こちらもぜひ覗いてみてください。
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今回の日野南中学校の公演を終え、アニー・サリバン役が辻由美子から柴崎美納にかわります。旅班はいったん東京へ戻り稽古、28日千葉県の市川文化会館から新たなメンバーで旅が再開します!
(写真は、日野南中学校の生徒さんとアニー・サリバン役の辻由美子。公演後の撤去の様子)
★10月23日(水)福島県・小高商業高校の公演。毎年秋のツアーのなかには文化祭や記念行事の一環として行なわれる公演が何校かあって、小高商業高校もそのひとつ。私たちが体育館で仕込みをしていると、校内からは文化祭の準備をする生徒さんたちの楽しそうな声が聞こえてくる。公演中も、自分達の手でこれからつくり出す文化祭への期待や高揚感、興奮が客席から伝わってきて、楽しい公演でした。終演後撤去を手伝ってくれた演劇部、生徒会のみなさん、ありがとうございました。
★10月24日(木)は茨城県・常陸太田市民交流センターで、太田第二高校の公演。全校700人ほどの元気な女子高。終演後、搬出をしていると「ありがとうございました」という声、帰り道の生徒さんたちでした。また、「座談会の席では話ができなくて・・・」と、ヘレン役の白根を訪ねて楽屋に生徒さんが訪れ、退館時間ぎりぎりまで話していた姿が印象的でした。
(写真は、太田第二高校の生徒さん達と。座談会後、ロビーにて)
スタッフの交代があり、平松篤君から武藤祥平君へバトンタッチ。また新たな風となって始まります。
佐賀県立厳木高校ではご父兄をはじめ、近隣の幼稚園・保育園・小学校・老人ホーム・町内のみなさんたちもご来場いただきました。そういえば老人ホームのお年寄りがこの舞台を観て、「若返った」といって帰られたそうだ。
また宮崎県立本庄高校では文化祭の中の行事でしたので、一般の方々にも見ていただき、幅広い年齢層の客席でした.
こうした客席作りはそれだけで何らかのメッセージを伝える。地域とのつながりのなか、何かを感じてもらいたいという先生方の思いでしょう。それに応えるようにそれぞれ生徒のみなさんは本当に芝居をよく観てくれました.細部にわたる様々な反応、カーテンコールでの拍手と声援。「この舞台を観て元気が出た」という言葉も印象的だった。撤去作業を手伝ってくれる先生も童心に返った様子で、それを見た生徒さんが一言「先生、子どもみたい」。そんな光景も面白い。
もうひとつ印象的だったのは別府市の明豊学園の校長先生が挨拶のなかで話されていた「芸術は人間性を高める」という言葉。とても説得力のある言葉だと思った.旅公演にはこういう出会いもある。
10月26日、私達はピンスポットの不調というハプニングに見舞われたが、照明チーフの坂野さんの迅速な判断と対処で事なきを得た。ちょっとしたアクシデント、そこには逆に、それを使って何かを作り出せるという可能性も含まれている.これからはどんな風が吹くのか・・・・。
(写真は本庄高校での撤去作業の風景【と、一息入れる飛行士役の緒方一則】みんな笑顔が眩しいです!!)
★10月20日(日)新地町を出発して、青森県弘前市に到着!とても寒い日でしたが、旅班にとっては久しぶりの自由時間。市内観光をしたり映画を観に行ったり・・・。私たちは東北三大祭として有名な青森県のねぷた祭りの資料館“ねぷた村”へ行き、ねぷた祭り特有のお囃子の太鼓や津軽三味線の演奏を聞きました。
翌日は柴田女子高校の体育館公演。とても元気な女子校で、リラックスして生の舞台の時間を楽しんでくれたようです。バスケットボール部の生徒さんが舞台の仕込みと撤去のお手伝いをしてくれ、部活動で鍛えた体力とチームワークのよさを発揮してくれました。柴田女子高校で行なわれたこの公演には青森県在住のアトリエの会会員・井上さんが観に来てくださり、「人の関係がとてもあたたかく、ヘレンが幸せに見えました。」と感想を話してくれました。
★10月22日(火)はヘレン役、白根有子の母校・秋田北高校の公演でした。穏やかな雰囲気の中で、生徒さんたちの真剣なまなざしが途切れない公演でした。カーテンコールで白根が後輩の皆に「芝居中は考えないようにと思っていたのですが、やっぱりとても緊張しました。でも自分の母校に帰って公演できたことが本当にうれしいと、改めて感じています」と今の気持ちを話しました。現在他校で教師をしておられる白根の演劇部時代の恩師・斉藤先生も駆けつけてくださり「去年よりパワーアップしましたね。」と喜んでおられました。座談会の場でも演劇部の生徒さんと話が盛り上がり、母校公演を終えました。
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写真は20日柴田女子高校のバスケット部の生徒さんと旅班のメンバー
★10月18日(金)今回のツアーで始めての中学校公演は、文京区主催の全11校の中学校合同の演劇鑑賞でした。風は数年前から文京区の先生や生徒達といくつかのワークショップを行い、交流を持ってきています。開演前には先生から「授業とは違うそれぞれの感覚で自由に鑑賞してほしい。」というあいさつがあり、生徒一人一人が演劇と出会う機会をつくろうとしておられることを感じました。大きなホールにびっしりの生徒さんたちが食い入るように舞台を観ていることを8人の出演者はそれぞれで受けとめて、2ステージの公演を終えました。
★10月19日(土)福島県・新地高校、生徒数221人の体育館公演。文化祭行事の一環として『ヘレン・ケラー』が上演されました。上演中の客席はとても静かで、皆さんがどんなふうにご覧になったのかと少し不安に思っていましたが、終演後の撤去のお手伝いの時には、生徒さんが人なつっこく俳優達に話しかけてきたり、率直な感想を話してくれました。「はじめて芝居を観てびっくりした。」「最初はどうかなと思って観ていたけれど、だんだんおもしろくなってきて観ちゃった。」
その日その時一回の公演の中で、そこにいる生徒さんたちの何を観、何を感じて舞台に立つのかあらためて感じた公演でした。
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写真は新地高校体育館にて、生徒さんたちとパーシー役の稲葉礼恵。
★10月14日(月)朝8時。九州新門司港に上陸した私達は、神埼中学校へと向かいました。ホテルのチェックインまで、たっぷり時間があるので今日のうちに搬入だけでもすませておきたいと、担当の先生にはあらかじめ伝えてありました。ほぼ予定通りの時刻に学校に到着。そして昼過ぎには搬入終了。順調な滑り出しです。まだ時間があるので、近くの吉野ヶ里遺跡に行こう!ということになり、全員で見学。たっぷり2時間公園内を歩きました。みんな元気です・・・。
★10月15日(火)朝8時からの仕込を終え生徒さんたちの入場が始まりました。いよいよ九州の初日です。この神埼中学校は久しぶりの演劇鑑賞会で、「風」の上演は今回がはじめて。しかも今日がなんと『星の王子さま』1000ステージ目の記念すべき公演とあって期待は高まっています。生徒さんたちの入場がほぼ完了する頃、先ほどからのポツリポツリが大粒の雨に変わりました。おまけにすごい雷。先生のマイクの声も聞き取れないほどの大音響が体育館を襲います。しかしそんななかで、音響オペレーターの橘川は一人ニコニコしながら「大丈夫ですよ、ボク、じつは晴れ男なんです。この雨開演したら必ずやみますよ」と断言。誰1人信じるものはいませんでした。ところがです。開演3分前、1ベルが入る寸前になんと、さっきまでの大雨がピタリとやんだのです。オペレーター席で1人ニコニコしている橘ちゃんの顔が目に浮かびます。こうして九州第1日目の公演がスタートしました。客席の生徒さんたちもこの天からのプレゼントに大喜び。終演後外に出てみるとあの雨が嘘のような秋晴れです。後片付けを手伝ってくれる生徒さん1人1人の顔がとてもさわやかでした。
★10月16日(水)糸島農業高校体育館公演。1996年の『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』に続いての「風」の公演でした。いわゆる試験あけという日でしかも暑い午後となりましたが、「なんだろう」というところから始まって、客席はよく見てくれたと思います。ぼくたちも一瞬一瞬を逃さずに「その場で創る」ということを行なっていけたという実感の強い舞台だったと思います。彼らは何を受け止めながら見ていたのでしょうか。座談会では(この日は王子役の東が一人で出席しました)「キツネとわかれるところがジンときた」「演劇って、人との違いを話し合えることがいいんですよね」といったそれぞれの話しがあったようです。
★10月17日(木)熊本学園大学付属高校の公演。座席数1172の久しぶりの大きなホール。しかも補助席を10席ばかりだしての超満員での上演。座談会はなかったのですが、3年生の女の子が1人、ぜひ話しをしたいと、楽屋を訪ねてくれました。東とだいぶ話しが弾んだようでした。「私はピアノをやってきましたが演劇はほとんど見たことがないんですけど、あんなふうに身体を使ってやる舞台って、すごいと思って、どうしても話しを聞きたかったんです。芸術をコミュニケーションとして活用していくということを、これから大学で探していきたいんですけど、東さんにとって、芸術とは、どういうものなんですか?」というかなり刺激的な話から、盛り上がっていったらしいです。近々彼女は、ピアノと朗読で『星の王子さま』を仲間と行なうそうです。
★10月18日(金)都城市民会館での都城泉ヶ丘高校の公演。この学校は私の母校で1992年の『孤児たち』以来10年ぶりの公演です。見ていただいた生徒のみなさんやこの上演のためにご尽力くださった先生がたの熱いまなざしと、共感の拍手は、何よりもの支えであり、旅を続ける私たちにとっての元気の源です。いただいた元気を大切にこれからも一回一回の場を作りつづけていきたいと思っています。私のこうした芝居への向かい方、愛着の出発点は、もしかするとこの泉ヶ丘高校演劇部で見つけ出したものかもしれません。そんなことを思いながらカーテンコールで語った挨拶は、がらにもなくちょっと緊張気味でした。
(写真は糸島農業高校での座談会風景)
10月7日、宮城県へ向かった『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』旅班は8日のゲネプロ(リハーサル)を経て9日、初日となった気仙沼西高校、鼎が浦高校の2校合同の公演を終了。12月19日まで続く旅がスタートしました。この週は宮城県から秋田、青森、そしていったん東京へ戻り、翌週15日にはまた福島県へという東北地方での公演。
初日の気仙沼西高校・鼎が浦高校、2日目10日の横手城南高校はともに公演後に座談会を行ないました。「ラストは感動させるために演じていますか?」という質問が演劇部から出たり・・・彼女と話を進めていくと、「ラストシーンは感動よりも、何か私達が考えさせられるものをもっていました。」という感想を聞かせてくれました。その他、『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』が創られ、今演じられているプロセスなどに対する質問も多く、興味が集まりました。
11日青森県名久井農業高校、15日福島県磐城農業高校の公演は、高校の体育館での公演。名久井農業高校では終演後撤去のお手伝いをしてくれた生徒さん、少々照れもありつつ、それぞれの俳優と話をしながらのお手伝い。ありがとうございました。また、磐城農業高校の公演では、生徒会の皆さんが仲の良さとチームワークの良さを生かして、前日の仕込みから、15日の撤去終了までこまごまと気を配って頑張ってくれました。お疲れ様でした!!
★写真は、初日の舞台より。
文化庁参加型の公演を終え10月9日朝、東中野を出発。今回は関西から入り、九州地域で公演します。向かったのは奈良県宇陀郡大宇陀町。時代劇にあるような格子戸の多い町並み。そこで今でも、生活が営まれている。10日、参加型のあとの初日は(私達はそれを返り初日といったりする)大宇陀高校での公演。生徒さんたちと向かい合おうとするなか、最後まで緊張感のあった公演でした。
11日は、兵庫県高砂市の松陽高校。一人一人の眼差しが多様にあり、後半、歌のあとには拍手も生まれ、客席に触発されながらつくっていった公演でした。
関西2校の公演を終えて、13日に私達は大阪南港を20時に出航し瀬戸内海を九州へ向かいました。
次の日朝8時に新門司港に接岸。
快晴。明日より九州での一般公演、学校公演が始まります。今年は、種子島、奄美大島、福江島にも渡ります。
(写真はフェリーから明石海峡大橋をバックに撮影)
文化庁・参加型の公演を終えて東京へ帰ってきた『星の王子さま』旅班の報告を聞きつつ、『ヘレンケラー ひびき合うものたち』旅班は10月7日東京・レパートリーシアターKAZEを出発し、秋のツアーが始まりました!
この日は、レパートリーシアター・ロビーにて恒例のティーパーティー。9日から約2ヶ月間、関西・九州方面への旅に向かう王子班の見送りの中、6時間の長距離移動で、初日を迎える宮城県気仙沼市へ。今回の『ヘレン・ケラー』は東北から始まり、関東・関西・東海・北陸と全国を飛び回ります。秋の旅公演日記も乞うご期待です!!
★いよいよ最終公演、佐久市立浅間中学校。佐久市に着くのが夜12時を回るため、前日の設営はなしにして、当日10月3日、朝6時から設営スタートとした。
750名の全校生徒が入ると、体育館はいっぱい。天気もよく体育館内の温度も上がりがちだが、スタッフがこまめに換気をする。公演は大きな盛り上がりを見せた。人の声が伝える感情、想いといった目に見えないたくさんのものに、お互いに触れ合えたのではないだろうか。
カーテンコールでは吹奏楽部が「光と影」「僕は行く」のほか十八番の「キューティーハニー」を演奏し、70名近くの生徒が出演者に花と手紙を渡してくれた。「一緒に一生懸命がんばったよ」と伝えてくれた生徒の笑顔は忘れられない。
★『星の王子さま』は10月9日に再び東京を出発して、関西、九州へのツアーに出る。東京に戻るのは12月末。
引き続き旅日誌は続きますので見てください。感想も待っています!!
「写真はリハーサル中の佐藤和夫校長と東珠実」
★横殴りの雨の中、夜の東名高速をひた走り浜松へと向かう。浜松市立佐鳴台中学校は、この日台風のため生徒を午後から下校させていた。ずぶぬれでの装置搬入を覚悟していたが、午後8時に到着した時には風は強いものの、雨は上がっていた。
次の日10月2日、佐鳴台中学校公演には、東京から音楽の八幡茂さん、ビデオ撮影のため向瀬さん、松本さんがいらっしゃった。呑み助、地理学者を演じる先生方に笑い、吹奏楽部の力強い演奏にしっかりと乗りながら王子さまに届けとばかり歌われた「僕は行く」そして「おーい、おーい、どこいっちまったんだよー」という台詞は、圧巻だった。
★10月1日、愛知県立守山高校の公演は、台風21号にみまわれ大雨の中での上演となった。参加の形態として音楽が中心となっているこの公演は、音楽の授業が他の芸術系のカリキュラムのなかで選択となっている高校にとっては、中学校よりも取り組みの時間がとりにくい。おそらく先生方の間でも様々な議論や戸惑いがあったことと思う。それでもとにかくこの公演を学校が変わっていくきっかけにするんだ、という先生、PTAの意気込みはすばらしかった。今、この場で、俳優が高校生と何がつくれるか。その緊張感ただよう舞台を、客席は降りしきる雨音もかき消す集中力で見入ってくれたと思う。撤去にも多くの生徒が残って、浜松へと向かう劇団を見送ってくれた。
「写真は生徒たちと語り合うヘビ役の酒井宗親」
「文化庁 本物の舞台芸術体験事業」という硬い名前をもつこの参加型の公演は、ワークショップを行なうということもあり、事前に何度も学校へ足を運ぶ。すべて体育館での公演という条件のため、先生方や生徒と一緒に、力を合わせて体育館を劇場へと変えていく。設営にかかる時間は長い。それだけ劇団が学校にいる時間も長くなる。つまりそれだけ一校一校が身近に感じられるということだ。
★四日市市立塩浜中学校は、前日の日曜日に設営をさせてもらったのだが、休日にもかかわらず多くの先生方が搬入を手伝ってくださった。「うちのいいのは、生徒のためにと一声かけると、全部の先生方が動いてくれることですよ」と校長先生が言う。その笑顔からうかがえる生徒と先生方への愛情とプライドに、 150名の全校生徒は次の日9月30日の公演の場でしっかりと応えていた。
『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』は現在東京・レパートリーシアターKAZEにて稽古中です。旅班は10月7日に、9日に行なわれる気仙沼市での公演のため宮城県に出発します。
写真は、稽古風景。
★9月24日、大山町立上滝中学校での公演は、今旅の初日でした。前日から体育館にて舞台を仕込み、リハーサルを行なってから当日本番を迎えました。生徒さんたちの真剣な眼差しや吹奏楽部の心のこもった演奏など、様々な力が合わさって感動的な公演となりました。無事初日を終えて、まずはほっと一息。
★9月25日は金沢市立緑中学校での公演。担当の先生をはじめ、熱心な先生方の指導のもと、今旅の公演中でも随一の参加が行なわれた公演となりました。吹奏楽部はもちろんのこと、先生方の演じる役の数も「点灯夫」「地理学者」そして「呑み助」2人と今旅中最大の参加で、本当に先生と生徒と演じる側とが一体となったすばらしい公演となりました。
★9月26日。北陸中学校・高校の公演では、特に放送部のメンバーが中心となり開演前のアナウンスや休憩のアナウンス、カーテンコールの司会進行などを行なってくれました。合唱は音楽の授業選択者が中心となってクライマックスを、そしてカーテンコールを盛り上げてくれました。座談会では演劇部の生徒さんたちの熱心な質問などもあり、様々に熱く語り合いました。
★9月27日、大垣市立東中学校の公演。生徒さんたちは非常に集中して舞台を観ていました。合唱やブラスバンドで参加するところも本当に一体となって舞台を作っていけたのではないかと思います。カーテンコールの時には吹奏楽部が特別に曲を演奏してくれ、ダンスやペットのスタンドプレーもあり大変に盛り上がりました。
★中日を迎え、残りあと4ステージ。近日中に近況報告しますので乞うご期待!!
「写真は体操服にサインをする王子役の東珠実と東中学校の生徒たち」
★文化庁・本物の舞台芸術体験事業『星の王子さま』がスタートしました。9月24日の大山町立上滝中学校を皮切りに、10月3日の佐久市立浅間中学校まで、計8ステージの旅公演です。
★この公演の企画の特徴は、上演校の体育館で行なう生徒参加型の舞台だということです。劇中、ラストシーンの「僕は行く」の歌を俳優と生徒が一緒になって歌い、星へ帰る王子さまに向かって「おおーい、おおーい、何処行っちまったんだよー」とみんなで飛行士の台詞を呼びかけます。そこでこの舞台のクライマックスのシーンを作り上げます。その他「星めぐり」の住人である「呑み助」や「地理学者」などを先生が演じます。その為に私達は2~3ヶ月前から事前に何度か学校を訪れ、ワークショップを行ないます。
今回の旅メンバーはキャスト・スタッフを含め、20人のメンバーで構成されています。このメンバーたちと共に、10代の観客たちが何を見、何を感じているかを見つめながら一回一回の舞台をそれぞれの人にとって心に残る大切な瞬間にして行きたいと思います。
7月15日に『星の王子さま』が愛知県・豊川高校で、翌16日には新潟県の中条工業高校で『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』が2002年春の旅の落日を迎え、春の旅を終えました。お世話になった先生方、また感想文、メールなどにも感想をくれた生徒さんありがとうございました。また、今回日記に書くことができなかった学校でも、たくさんの出会いがありました。
春の公演日記のお知らせが、最後までお知らせできずに終わってしまったこと、ずっと見つづけてくれている方に深くお詫びいたします。
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さて、秋の旅公演日記がはじまります!!
今回は、前回に引き続き『星の王子さま』『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』の全国での学校公演。
『星の王子さま』は文化庁“本物の舞台芸術体験事業”として参加型の公演。その後九州に渡ります。『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』は関東・東北・関西など各地を飛び回ります。秋の旅公演日記もぜひお楽しみください!
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さて、“2002 秋旅公演日記”の始まりです!!