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アルベール ・ カミュの小説『異邦人』を原作の構造を綿密に尊重しつつ、劇的な表現と繊細な間合いを含む戯曲として制作し、素晴らしい演劇作品に仕立てていただき、心から感謝申し上げます。
「風」の舞台では、喜劇的要素と瞑想的な瞬間が対照的に織りなされ、登場人物にさらなる濃密さが与えられ、第2部で完璧に響き合っております。
ムルソーの肩にのしかかる太陽の重圧感を我々観客も感じることができ、それが浅野氏をはじめとする劇団員の皆さまによる演劇化、ことに表現力のある役者達の素晴らしい仕事の成果だと確信しています。
劇団風によるこの新作が観客の好評を得られたことを確認でき、これからもこの作品を通してカミュの声を日本に広め続けてくださることを願っています。
サビーヌ・ペテルス Sabine Peeters
( 著作権継承者カトリーヌ ・ カミュ代理人)
フレデリック・マサール Frederique Massart
(ガリマール出版社)
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第83回公演[レパートリー作品]
2014年1月20日[月]~27日[月]
開演:平日7時/土日2時[全席自由]
不条理を見つめ、不条理に反抗したカミュの代表作を
カミュ生誕100年を記念して上演
ムルソーは、“ 断る理由もなく”引き受けた手紙の代筆がきっかけとなり、友人のトラブルに巻き込まれて殺人を犯し、裁判にかけられる。
法廷の場は、被告=当事者である自分を抜きにしたかのように進められ、事件とは無関係と思える出来事や行動のひとつひとつに意味が与えられ、罪へと結びつけられていく。
「お芝居をしないと、彼が暮らす社会では異邦人として扱われるよりほかにない。嘘をつくという意味は、無いことを言うだけでなく、あること以上のことを言ったり、感じる以上のことを言ったりすることだ」(カミュ)
ムルソーは嘘をつくことを拒否する。最後に許された発言の場で、殺人を犯したのは「太陽のせい」だと答え、社会の異物として絞首台に送られる。
ひとつの真理のために死ぬことを承認するムルソーの叫びに耳を傾けるとき、私たち自身の内に喘ぐ異邦人の声が響く。
カミュの代表作『異邦人』は、第二次世界大戦が激化する1942年に発表され、大きな反響を呼んだ。カミュは戦争のなかで不条理を見つめ、不条理に抗い、そこに踏みとどまることで、生きることの希望を探求した。
東京演劇集団風は2012年、『異邦人』を初演。この公演にあたり芸術監督浅野佳成が小説『異邦人』の作品世界を叙事的視点で脚本とした。
カミュ生誕100年記念として再び『異邦人』に取り組む今回、新たに作品執筆時のカミュと同年代となる白石圭司が演出を担い、若き時代感覚で、死すべき存在として人間の不条理を見つめたカミュのまなざしから、“ 人が生きることへの自由”に切り込む。
第83回公演[レパートリー作品]
カミュ生誕100年―
異邦人 L’ Etranger
作:アルベール・カミュ Albert Camus 翻訳:浅野佳成
演出:白石圭司 Ehara
翻訳:窪田啓作(新潮文庫刊)/谷島貫太
【出演】
中村滋/栗山友彦/緒方一則/渋谷愛/車宗洸/田中賢一
坂牧明/酒井宗親
作曲・音楽制作:バンジャマン・クルシエ Benjamin Coursier
照明・舞台美術・音響:フランソワ・シャファン François Chaffin
〈マントゥール劇場Théâtre du Menteur〉
舞台監督:辻幸男 舞台監督助手:佐田剛久/清水菜穂子
衣裳:木村奈津子
照明オペレータ:坂野貢也 音響オペレータ:渡辺雄亮
演出助手:江原早哉香
協力:ガリマール出版社/カトリーヌ・カミュ(著作権継承者)
著作権代理:㈱フランス著作権事務所 企画協力:新潮社
会場:レパートリーシアターKAZE
2014年1月20日[月]~ 27日[月]
開演:平日 7時/土日 2時[全席自由]
入場料:当日 4000円/前売 3800円/学生 3300円
年間通しチケット:10,000円(3枚綴り)
レパートリーシアターKAZEで1年間に上演される3作品がご覧いただけます
助成:文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本